【そもそも】電験とはどんな資格なのか【種類による範囲を解説】

皆さんこんにちは。今回はそもそも「電験」とはどんな資格なのか解説していきます。

このページに来てくださった方は皆さんこんな疑問があると思います。

  • よく聞くけど電験ってどんな資格なの?
  • 電験にはどんな種類があるの?
  • 電験を取得すればどんなことができるの?

今回の記事では詳しくこの「電験」について話していきます。僕自身も初め、電験のことがよく分からず調べまくったことがあるのでそんな方のためになればいいなと思います。

最後まで読んでいただければ「電験」について今まで曖昧だったことが理解できます。

 

この記事を書いた人

電気工事歴18年の電気工事士。分数の足し算も出来ない状況で4年かけて電験三種に合格し、その翌年にエネルギー管理士(電気分野)を一発合格。さらにその翌年、電験二種一次試験合格、二次試験不合格⇦現在ここ。今年の二次試験に向けて猛烈勉強中。

目次

電験とは?

まず皆さんがよく聞かれる「電験」ですがこれは略語であって正式には

電気主任技術者試験

と言います。

一番よく聞かれる「電験三種」

第三種電気主任技術者試験

を略したものです。

なぜか頭に電験がついて後ろに三種がつきます。

このように電験には第三種、第二種、第一種と三種類の資格があります。

難易度は、「第三種」→「第二種」→「第一種」の順番で難しくなっていきます。

電験の資格を使ってできること

電験を取得するとできることは

電気工作物の工事、維持、運用に関する保安の監督

です。

簡単にいうと高圧受電されている工場や施設などの保守・管理・点検・工事の監督などができます。

さらに法律でも高圧受電されている建物にはその電圧の範囲によって第三種〜第一種の電験を取得している方が保守・管理・点検・工事の監督を行わなければならないと決まっています。

それぞれ種類によって保守・管理・点検・工事の監督ができる電気工作物の範囲が違うのですがここからそれぞれについて詳しく解説していきます。

第三種電気主任技術者

電験とは

まず電験の中で最もメジャーなのが電験三種です。

この中では一番簡単な資格なのですがこれが一般人にはすでにかなり難しいんです。

僕は電験三種に合格するまでに4年かかりました。長い人では10年かかったという人もいます。

電気技術者の登竜門とよく言われますが、入り口でこんなに難しければ第二種や第一種はどれくらい難しいんだよって思ってしまいます。

よく言われるのが、電験三種に合格するには「工業高校の電気科を優秀な成績で卒業した者」と言われるのですが、僕自身、電気科でしたが下から数えた方が早いほどの成績だったのでかなり苦労して取得しました。

ちなみに解答方法は選択制で、五肢択一制(5個の解答候補から1つ選びます)です。

第三種電気主任技術者の試験内容

まず電験三種の試験で出題される科目とその内容を見ていきましょう!

科目名 科目の内容
理論 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電力 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料
機械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法規 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理

上記の通りです。特に機械の勉強範囲が広いことが分かると思います。

第三種電気主任技術者の電気工作物の範囲

電験三種では、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力 5千キロワット以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。

第二種電気主任技術者

電験とは

続いて電験三種の上位資格、電験二種についてです。

電験二種では一次試験と二次試験に分かれて2回受験する必要があります。一次試験に合格すると二次試験が受験可能です。

現在僕は電験二種の二次試験の勉強をしていますが、一次試験は電験三種を少し深掘りする程度でそこまで電験三種と難易度は変わらないのですが、二次試験がめちゃくちゃ難しいです。もはや一次試験と二次試験を同じ電験二種というくくりにするのはおかしいくらい、別物といった印象です。

さらに一次試験の解答方式は三種の五肢択一制から多肢択一制(選択肢がいくつかある中でどれか一つを選択する)に変わり、二次試験は筆記での解答です。解答用紙に自分の字で計算過程や図を書かなくてはなりません。

ですから勘で合格するのは無理です。本当に理解できていなければ合格することは不可能な資格なのです。

第二種電気主任技術者の試験内容【一次試験】

まずは一次試験からです。

科目名 科目の内容
理論 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電力 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料
機械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法規 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理

これは電験三種の内容と変わりません。ですが、さらに深掘りした内容になっています。

第二種電気主任技術者の試験内容【二次試験】

二次試験の範囲は下記の通りです。

科目名 科目の内容
電力・管理 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気施設管理
機械・制御 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス

一見すると科目と範囲が少なくなっているので簡単そうに見えるかもしれませんがこれがめちゃくちゃ難しいんです。かなり広く深い知識が要求されます。

第二種電気主任技術者の電気工作物の範囲

電験二種では、電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。

第一種電気主任技術者

電験とは

最後に電気資格の最高峰、電験一種です。

こちらに関しては僕は受験経験がないので僕の経験では語れないのですが、電験二種のレベルであんなに難しいのであれば相当難しいことは想像できます。

電験二種に合格した後、受験するか考えてみようと思います。

ただ生半可な気持ちでは絶対に合格できないと思うのでよく考える必要がありますね。

電験一種は取得しても、電験一種取得者が必要な施設が日本にはそんなにないのでそこまで需要がなかったのですが、今は太陽光発電設備の増加で、電験一種取得者の主任技術者も必要とされているので十分取得する価値はあります。

解答方式は二種と同じで一次試験が多肢択一制、二次試験は筆記での解答となります。

第一種電気主任技術者の試験内容【一次試験】

まずは一次試験からです。

科目名 科目の内容
理論 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電力 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料
機械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法規 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理

これも電験三種と内容は同じです。言うまでもありませんが三種よりも深い知識が必要です。

第一種電気主任技術者の試験内容【二次試験】

二次試験の範囲は下記の通りです。

科目名 科目の内容
電力・管理 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気施設管理
機械・制御 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス

これも電験二種と同じ範囲です。

第一種電気主任技術者の電気工作物の範囲

電験一種では、すべての事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。

まとめ:それぞれの資格の範囲を理解して最適な試験を受験しよう!

今回は以上になります。

それぞれの種類の範囲を理解して、今取得するべき電験の種類を決めて、受験するようにしましょう。

特別な理由がない限り、初めは電験三種から受験するのが無難です。いきなり二種や一種から受験すると心が折れる確率がグッと上がりますので。

ここまでありがとうございました。

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